学校長挨拶
学校長挨拶

学校長挨拶

不登校は特別なことではない

「不登校」や「引きこもり」というと、他の子どもと比べてしまい「特別なこと」と捉えがちですが、思春期の子どもたちにとっては、特別なことではありません。むしろ、不登校は「成長の証」でもあるのです。私は不登校の子どもには「よくぞ不登校になった!」と言って握手するのですが、小さな失敗で落ち込み、必要以上に他人を意識し、人間関係に傷つくのは、思春期には誰もが経験することです。それが、たまたま不登校という形で表れただけです。むしろ、問題意識を持っているという意味では、とても大切なことだと思います。高校に入って次第に学校に通えるようになると「今までなんで学校に行かなかったんだろう」と話すようになってきます。

問題なのは生徒不在の教育

さくら国際高等学校 東京校(旧 東京国際学園高等部)は、不登校の生徒たちとの出会いをきっかけに、1992年に設立した学校です。私自身、学校は楽しいところだと思っていたので、不登校の生徒がたくさんいるということに驚きました。そういう子どもたちと話をしてみると、素直で真面目、とてもピュアな子ばかりです。それなのに学校に行けなくなるというのは教育制度にこそ問題があるのではないかと思ったのです。つまり、子どもたちの多様化が進んでいるにもかかわらず、実は学校や教育システムの方が追いついていない、「生徒不在」の教育になってしまっているのではないかと考えました。

「通信制」でも「週5日型」という安心

そこで私たちは通信制の教育システムを活用しました。もともと通信制というのは、様々な事情により学校に行けない人のためのシステムですが、通信制でも週5日型とすることで、原則として毎日通うことができます。つまり毎日「居場所」があるのです。さらに本校では、何が好きで、何が得意で、何を面白いと感じるか、という視点で教育をしており、選択授業が豊富なのもそういった理由からです。子どもたちが持つ個性や感性、想像力というものに光を当て、自分が得意とすることで人を幸せにできることに気づいてもらう教育です。子どもたちに目を向け、ひとりひとりの個性や状況に合わせて授業を進めていきます。

小さな成功体験を自信につなげる

勉強だけではなく、課外活動に力を入れているのも本校の大きな特徴です。地域の皆様とする運動会や地元小学校と行う授業、地域のお祭りや放課後活動など、多様な活動を続けています。また、東日本大震災支援の活動やラオスなど途上国の学校建設訪問など国内外のボランティア活動では大きな成果を上げています。このような小さな体験、小さな成功の積み重ねがとても大事で、社会的自立の一歩だと考えています。


さくら国際高等学校東京校 学校長 田中雄一

通信制高校のさくら国際高等学校東京校は、3年間で高校卒業資格が得られ、
転校を考えている高校生の転入先や不登校経験者、中退者の編入先としても安心して選べる単位制高校です。