教員ブログ
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小さくて大きな思い出

うめが芽吹き、卒業式が終わり、
空っぽになった教室を見つめると、
確実に時が流れているのを実感する。
卒業式の朝、ある女子生徒が一人ぽつんと
職員室のドアのところに立っていた。
入学相談の時、その生徒は何も話さず、
最後に、
「一緒にがんばろうね。」と言うと、
ただ小さくうなずくだけであった。
大学進学へも決まった。
「先生」と一言。
ひと指し指の第1関節ぐらいに乗るぐらいの
小さな折鶴をくれた。
息がとまった。
「卒業おめでとう!」
小さくて大きな思い出がまたひとつできた。
文―トモアキ