教員ブログ
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心の教科書

春は、移りゆくもの。
さくらを連れて。
平成24年4月13日 金曜日。
さくら国際高等学校(長野県上田市)の
入学式に参加させていただいた。
東京では、桜の雨。
上田の桜は、これから。
風の匂い、木々の芽吹き、包み込むような地形。
あるがままの自然が、五感すべてに
春の訪れを知らせてくれる。
わが校は、たくさんの方々に支えていただいている。
その中のお一人・聖路加国際病院理事長の
日野原重明先生の「希望」という名の詩を紹介する。
「人は皆欲望を持つ
それは何かを持ちたいという願望から
だが人は皆
裸で生まれ 裸で死んでいく
欲望と違って希望は
自分の中に見いだすもの
でも自分で希望を見いだせない時には
希望の灯火を灯(とも)してくれる友がほしい
そう願う私だが
どう成長すれば
希望のない友に
希望を与えられる友となれるのか
そんな思いで私の眼は
蒼穹(そうきゅう)高く流れる雲を追っていた
風は見えない
だが
風の息吹が雲の中に孕(はら)まれて見える」
カメラを入学式会場に向ける。
在校生歓迎の言葉にこんな一節があった。
「きっと、他の学校では学ぶことが出来ない、
言わば、『心の教科書』を三年間で、知らず知らずのうちに
自分で作り上げていくのだと思います。」
それぞれ世界に一つしかない「心の教科書」。
「心の教科書」とは、「希望」そのものかもしれない。
入学式から、涙である。
文―トモアキ