教員ブログ
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レイン ~ 入学相談室より

雨音が耳朶(じだ)をうつ。
雨音が街の声をかき消す。
21時。
携帯から聞こえる君の震えた声。
一瞬の沈黙。
秒針の音に気づく。
空模様と心模様が一致する。
目を閉じる。
戦後文学の無頼派・坂口安吾は
「風と光と二十の私と」の中で
こんなことを言っている。
『 雨の日は、雨の一粒一粒の中にも、
  
    嵐の日は、狂い叫ぶその音の中にも、
  
        私はなつかしい命を見つけることができた。 』
 
                                雨よ。
文―トモアキ