教員ブログ
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サマーキャンドル

晩夏。
平成22年9月1日という
ロウソクに灯がともろうとしている。
ゲーテがこんな詩をプレゼントしてくれた。
『 いま この小さな家を
  恋しいひとの住居(すまい)を ぼくは 立ち去っていくのだ
  荒寥(こうりょう)として暗い森のなかを
  しのびながら ひとりさすらっている
  藪(やぶ)や樫(かし)のしげみから 月光(つきかげ)がもれている
  そよかぜも かすかにかよい
  白樺(しらかば)は ほのかにゆれて
  あまい薫(かお)りをふりまいている
  この美しい夏の夜の涼しさの中に
  かぎりなく ぼくは 息づくのだ
  ああ しんしんと身にしみて
  こころの幸(さち)が 思われる
  きわまりない はてしらぬ歓喜(よろこび)よ!
 
  だが わが恋しいひとが 一夜(ひとよ)でも
  ぼくにゆるしてくれるなら
  このように美しい幾千の夜も 天よ きみに 捧げよう
                     - うつくしい夜 』
わが東京国際学園の生徒たちは
この夏、どんな風景を見たのだろう。
夏の 恋の 遠い記憶。
ロウソクの灯が 一瞬 ゆれた。
秋風の いたずら かもしれない。
文 ― トモアキ