教員ブログ
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陰翳礼賛

秋風がそっと頬をなでる。
先日、藤原正彦氏(数学者、お茶ノ水大学名誉教授)の講演に行った。
想像力、連想性が大事。
直接、生の触れ合い。
効率、便宜だけを求めてはいけない。
ダイヤモンド鑑定士を育てるには、
本物のダイヤモンドしか見せない。
初等教育の目的は、「 本に手を伸ばす教育 」
こんなフレーズが熱く聴衆に投げかけられた。
藤原正彦氏の講演タイトルは、 「 祖国とは国語 」
全体のシンポジウムのタイトルは、 「 デジタル時代の教育を考える 」
今後、デジタル教科書が急速に普及していくという。
放課後、秋の夕陽に照らされた教室。
ページをめくる音。
インクの匂い。
陰にかくれた文字。
そんな光景を想像するのである。
「 美は 物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す 陰翳のあや、
  明暗にあると考える。
      
                  - 谷崎 潤一郎 『 陰翳礼賛・いんえいらいさん 』 」
「 谷崎先生、今後の教育はどうあるべきでしょうか? 」
カバン持ちをさせていただきながら、
そうたずねてみたいものである。
文―トモアキ