教員ブログ
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瞬景

ある家庭訪問の帰り道。
立川駅ロータリーにある歌碑。
「立川の 駅の古茶屋 さくら樹の
 もみじのかげに 見送りし子よ」
若山牧水が、明治39年に奥多摩への
旅行の途中、立川駅前で休憩した時に
詠んだ作品。
当時、駅前に会った桜の樹が
秋もさかりに赤い枯葉を茂らせている
その木陰の茶店の縁台で、牧水は、食事をすませて
出かけようとすると、店の子が見送ってくれた
という意味。
今、駅ビルが日陰をつくる。
多くの人々が、無言で行き交う。
この「瞬景」に、足が止まった。
文―トモアキ