教員ブログ
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レ・ミゼラブル

新春。
年に1回、会えない友からの便り。
年に1回、会えない友の声を聞く。
年に1回、旧友との語らい。
一期一会の真実を知る。
公開中の映画「レ・ミゼラブル」に一人向き合う。
作者・ビクトルユゴーが、この作品で人類に訴えようとした
メッセージは何なのか。
あるフランス文学者は、こう言っている。
「愛はたしかに勝つ。だが、愛というものは、
もらった分だけしか人に与えられないものである。
ゆえに、ファンテーヌやコゼット、それにジャベールのような、
愛を受け取ったことがないみじめな人々(レ・ミゼラブル)を
救うのは、ジャン・バルジャンに象徴される『だれか』が
見返りを要求しない無償の愛を『最初』に与えなければならない。
かつてのその『だれか』はイエスであった。だが、イエスへの
信仰がおとろえた現代においては、その『だれか』は『あなた』で
なければならないのだ」と。
正しさが悪に見え、悪が正しく見えることが
あると叫ぶ若き命。
目にいっぱいの涙をため、激しいが、
美しすぎる歌声のファンテーヌ。
コゼットを見つめ、2つの不安の心、
一つに合わせようとささやくジャン・バルジャン。
誰かを愛する無償の愛こそ、生きている
証なのだ。
「一期一会の友」と「無償の愛」
見つめ続けたい わが精神の遠景である。
文―トモアキ